「死を迎える」

 

最近あったケースをご紹介しましょう。

 

あるクライアントさんは遠くに住んでおられるので、毎月決まってご自分のための遠隔ヒーリングを依頼

されましたが、ある時から父親のヒーリングも依頼されるようになりました。

父親は年を重ね、身体の自由を失い、認知症も始まって、つらい状況になってきたからでしたが、父親に

遠隔ヒーリングを依頼しているのは家族には知らせていないようでした。

時折、お電話で知らせていただいたのですが、ヒーリングをする度に、ある時は驚くような前向きの変化、

別の時には穏やかな変化が必ず、起こっているとのことでした。

しかし、神の摂理の老化は静かに確実に進み続けておりました。

 

よくあるように肺炎を患い、入退院を繰り返し、そして先日の朝、ベッドの横で付き添っておられた

妻も気がつかない程、自然に安らかにあちら側へと移行されました。この気付かなかった事が、家族の

心残りともなったようでしたが、それはご本人にとっては幸いな事であったろうと思います。

 


親孝行なその娘さんはその死をとても悲しみ、受け入れるのに苦しみ、お電話をかけて来られました。

私からはスピリチュアルな観点からの死の説明をさせていただきまして、妹さんとご家族一同は大変

深い理解を示されたようでした。しかし、それでも心配は尽きず、その後のヒーリングは必要か、父親は

どうしているか等に関心を寄せて私に再度質問を送って来られました。

 

ヒーリングは心と魂への大きな力を与えます。 心と魂は死ぬことがありません。

ヒーリングエネルギーはすべてのものを存在可能せしめている原動力です。地球の自転、公転を

可能にし、草木を茂らせ、動物を生かしている生命力のことですから、この私たちの生きる、死ぬと

いう自然のサイクルにも大いに関係を持ちます。

 

あなたという個の意識は身体を失っても存続しますから、本当は生きる場所が異なるだけで、消滅する

ことはないのですが、老化、病気、苦しみ、別離の苦しみなどに伴う怖れ、悲しみ、不安などがどうしても

心に大きくのしかかってきます。

ヒーリングエネルギーはこの生きること、死ぬことを体験するプロセスで生じるネガティブなものを

ポジティブなエネルギーに変えてくれます。魂の部分ではしっかり承知しているものの、顕在意識では

忘れている本質につながり、力を得るのでしょう・・・ですから、ヒーリングエネルギーは生きる

ためにも、死ぬ際にも大いにプラスになります。

 

このケースのように、ごく自然に、苦しむことなく、生から死へと移行できるのです。

 

私が娘さんに申し上げましたのは、お父様は不自由な身体を脱し、自由な状態でおられるだろうから安心し、

むしろお父様の為に歓んであげても良いということでした。

そして、彼がご自身が移行したことに気づき、早く光へと昇るよう祈るのを約束しました。

とは云っても愛する者を失うのはとても辛いことには変わりありません。

私も数か月前、母を亡くしましたからよくわかります。99歳の天寿を全うした母ではありましたが、

別離の悲しみは予期していた以上に大きなものでした。

 

彼女の父親の場合も、いくつになろうと家族への喪失感は深く、 数日後、再度私に連絡してこられました。

本当に父は大丈夫なのかとても心配だと訴えました。

そこで私はイエスキリストが「父」と呼んだ高次元意識に訊ねてみることにしました。幸いな事に、私は何か

迷ったり、人間としては得られない情報を得たいときには父なる"Something Great"に質問をし、答えを得る

ことが出来ますので、このクライアントさんの父親の意識は今、どういう状態でおられるかと聞いてみることに

しました。

 

「父」のメッセージは次のようなものでした。

 

  皆の者、安心しなさい


  彼は美しい雲の中で休んでおられる


  とても疲れて、今は優しい天の光の中で回復のためのプロセスに入っておられる


  これがしばらく続いた後、彼は目ざめ、すべて体得したものを整理し、学びの成果を検証する段階に入る


  その前に言うまでもなく地上で愛し、愛された者への感謝や愛をもっともっと深くリアルに実感する喜びを

  通ることとなる


  その時に、彼ら、地球にいる残された愛されし者達はきっと、彼の歓びと感謝の波動を浴び、

  感じることもあるだろう

  それまで、ただ愛の念を送るのみ、心配の必要は全くなし、ましても悲嘆の念はできるだけ損じる、

  遠ざけるよう努められたし・・・

  それではこの位で       愛をもってあなたの働きに感謝する

 

 

 

私達は皆、いつか死を迎えます。地球上での体験を終え、天に戻ります。


未知である(と思っている)死は私達に怖れと不安、心配を与えますが、私の提案はこうです。


と言うより、私自身が心がけていることをご紹介しましょう。


私は時折天に向って願いを伝えます。


このケースのように、死への移行が自然でありますように・・・。


また、その時までに、怖れ、不安をすべて手放し、むしろ歓び、期待、感謝と共に死を迎えることが

できるようになりますように・・・と祈ります。


そのためには、すべての生のプロセスを信頼し、できうる限り、後悔しないように生きよう、何があろうと

すべては守られているので安心してよいのだということを(信じるのでなく)しっかり知り、体感、実行し

ていこうと思っています。

 

 

何か嫌なことや、不安なことが起こると、私は「父からのメッセージ」というスタッフ手作りの小冊子を

時折手に取り、読み返しては、心の平安を取り戻します。

これまで「父」が折にふれて、いろいろ教えてくれたことを復習するのです。

(ご希望の方にはこの小冊子を実費でお送りいたしますので、お知らせください。)


誰にも生きていく上で当然ながら、心が痛んだり、すさんだり、恨みや憎しみ、怒りなども生じてきます。

そんな時、こういった気持ちのゆれも、生のプロセスを通してさまざまな愛の形を体験し、より信頼するための

ものなのを思い出すために「父」の教えは何よりも役立ちます。


いつかはこの体験も最終段階に来るでしょう。


その時にどう迎えられるか・・・・それはとりもなおさず、どう毎日を生きていくか、なのです。

 

 

 

その後、娘さんからメールをいただきました。


それには、父上が安らかに逝ったこと、

移行後も父上が安らいだ状態にいることを知ることが出来た事に対する感謝、

「出棺前の顔があのように安らいだ顔をしていたこと」が残された者の慰めになったこと、

周りの方が嘆き悲しむ中、それとは違う思いで父上を見送ることが出来たのは、肉体を離れた後の、

父上の安らかな状態を知る事が出来ていたからこそである、とありました。


また、「肉体から離れるだけ・・・」と頭では理解しているつもりでも、いざ自分の親が逝くとなると

不安を感じていたけれど、自分にとってかなりうまく乗り越えることができた、と教えてくださいました。


そして最後は


「本でだけ知っていた世界が実際にあり、現に父がそこにいる・・・。


その父にときおり愛を送り、今頃何をしているだろうかなどと考えたりしています。」

とお書きになっています。

 

 

「死」を迎えるその時、視えないところで行われている真実を知ることは、

移行していく者にも、見送る者にとっても、大いに心慰められることであるようです。